地層を編む
3年ほど前から編んでいたマフラーをようやく編み終えた。
まったく難しいものでも大作でもないのだけど、編みたい時にだけ編んでいたら、3年かかった。
ちなみにセットの帽子もこのマフラーもレシピ通りに編んだのに、大変に小さいし短い。
時の長さに比例はしない。
編み始めた時は、パルコプロデュース『桜文』をやっていた。
いろんな時に、いろんな土地で、いろんな姿勢で、いろんなものを飲みながら、編んだ。
あまりに時を経ているので、編み目の大きさもまちまちで、地層マフラーと呼んでいる。
そんな地層の最上面が仕上がったのは、舞台『いつかアイツに会いに行く』の公演中の出来事というわけです。
一番編み目が大きいです。
公演も残すところわずかとなりました。連日ご来場ありがとうございます。
夢や幸せなんてものは、バリエーションが多けりゃ多いほどいいとあたしゃ思っています。
わたしの幸せは、自宅のキッチンの椅子に座っていることですし、その平穏を守るのが夢ですし、そういうしょうもない、自分の内側だけで香るような何かをそれぞれが持っているってのもいいもんだと思います。
そんなかんじでバリエーションがありゃあるほど、縦の糸はあなた横の糸はわたしみたいなのが無数に、無数に交わり合って、ざっくりいい感じの網目になるんじゃないかしら。
編んでるマフラーの編み目が大きくなるよな気楽で大胆なコメディでミュージカルでありながら、そんな個々人の誰にもわからない幸せや夢みたいなものもぐっと後押ししてくれる作品です。
総じてソーキュート。
きっと元気になれるはずですので、よかったら遊びにいらしてください。