こっちのさくら



まるちゃんとたまちゃんとオバショット


遠くに行く電車は、みんなが過ごしていていい。

私が果汁グミを食べると、向かいの席の親子の娘が、母のカバンからお菓子の巾着を取りだし、フェットチーネグミを食べた。

本当は向かい側の席に座っていたおじさんが、富士山が見えるこちら側に移動してきて座り、スターバックスのコーヒーを、その度毎に蓋を開けて飲んでいる。

その人がこぼれてくるくらいの時間を過ごせるのが、旅の間だと思う。
こぼれるので混ざりあって、グミがグミを呼んだりもする。  

昔から、移動している時間は、移動しているのをいいことに、自分が何をしていなくても問題がない感じがする。
いつだって、止まってたって、本当はそうなのだろうけど。 


もちろん、行った先もとても良かった。

温泉付きの宿に泊まって、夜も朝も入った。
昔なら、朝にまでお風呂に入ろうという気にはならなかったけど、ただあたたかいものに包まれているのが気持ちいい齢になってきたために、朝もそうした。

宿に泊まることもまた、食器を洗うことも明日の洗濯について考えることもできないから、ただ寝ることだけを考えられていいなと思った。
状況に従い、素直にただ寝た。

あらゆる細やかな煩わしさを抱えているのが生きている醍醐味であるし、その人に対して憎らしさを抱けることがその人が生きていると実感することであったりもするものだな!、というのは、この一年の発見だった。
これは大きな発見。

ただ、それも一つの事実として、素直にただ寝るとか、何も考えないとか、問答無用でただのラブだよ!とか、そういうのも、生きてるよさの一つである。

そう。事実ってめちゃたくさんある。

旅先で見たドラマで、「どんなに遠くに行っても自分から逃げることはできない」と言われている人がいた。
それもまたその人にとって、ギクリとする事実だったのだろう。

私はギクリとしないなあと思ったので、人が敷いてくれたふとんと人が入れてくれた風呂にとっぷり浸かっていた。


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「チーズケーキのピースを今日も」
完売の回が出てきました。
ご予約ありがとうございます。

4月20日(日)がおすすめ。
明日仕事だからいやですよね。
でも、明日仕事だなと思っているときにいい感じの劇です。きっと。

『チーズケーキのピースを今日も〜ピース②(再演)』 
2025.4.19(土)4.20(日)/4.26(土)/4.27(日) 
@ゐ(い) 

【作と演出】 
福永マリカ 

【出演】 
平田暁子 
福永マリカ 
竹尾一真 

【場所】 
ゐ(い) 
世田谷区若林3-9-8 
(東急世田谷線「松陰神社前」「若林」駅徒歩6分•東急バス「若林三丁目」停留所徒歩1分) 

【日時】 
4/19(土)17:00〜/19:30〜 完売
4/20(日)17:00〜/19:30〜 
4/26(土)17:00〜完売/19:30〜 
4/27(日)17:00〜完売/19:30〜 
(開場は30分前、上演時間は40分) 

【料金】 
¥3990-(日時指定全席自由・税込み) 
(2ドリンク+終演後にチーズケーキ付き!) 
※お支払いは当日会場にて受付いたします 

【御予約】 
4/1(火)10:00amより 
setagayakuwakabayashi398i@gmail.com 
のメールアドレスへ下記項目をご記載ください。 
①お名前(カタカナ) 
②枚数 
③ご観劇ご希望日時 
④緊急事のご連絡先 
※上記アドレスからの返信を以て御予約完了となりますメールの受信を可能な状態にしてください 

公演ホームページ 
wakabayashi398i.jimdofree.com