心地

踏切で、大きな象二頭が、仔象十頭くらいを率いてゆっくり歩いているのとすれ違う夢を見た。

象が大好きなものだから、とても清々しい目覚めで、時間もいつもより30分早かった。

そのまま布団の中でストレッチなんかもした。

布団からは、出なかった。



去年から、鍼灸院に通うようになった。

身体がいい状態になると、普段目指すべき状態がわかるのがとてもよくて

日常的にも、身体の実感をよく観察して、こうするとこうなるんだなぁみたいな相関をみていたりした。

わたしは胃が弱い。

この前、鍼灸院の先生に
施術していただいたあとはいつも、胃がゆるむ感じがしていいのですけど、これはなんなんでしょうか?
と聞いてみたら

胃が痛いと、胃を庇うために姿勢を丸めてしまうんだけど、そうすると肋骨がまた胃を圧迫してさらに痛くなることとか

胃の後ろの筋肉をほぐすと胃もほぐれることとか

胃が痛いときは横隔膜を動かすとセルフマッサージになること

胃に悩みがあるときは他の繋がってるところ、まあ結局は全身をほぐすことがいい

みたいなことを教えてくれて、はぁー!となった。

その話を聞いてから、横隔膜を意識的に動かして胃をマッサージするようになった。

すると、お腹が空いた時の心地が以前と違う。

なんとも言い難いけれど、小学生の頃みたいな、お腹の空き心地なのだ。

そして、横隔膜が動きやすくなると、息の吸える位置が違う。

今まで、どんなに息を深く吸おうとしても、際限があって、まだこの先に本当の腹の底があるんだろうなあ、という感じがいつもしてた。

でも、この、これは、けっこう、底に近いのではないか…!

そうすると、生きてる心地がなんと楽になることか。

力まずに力を入れるにはどうしたらいいんだろうなぁ、みたいなことをずっと考えているんだけど、

横隔膜が自由で、肋骨ががばっとひらいてると、胴体が筒みたいになって、息が自由に行き来してて

力まずに力を入れるって、こんな感じなのでは…と思う瞬間ができた。 

しかもこれが面白いことに、腹の底まで息が届くと、その裏にある腰のセルフマッサージになる。

わたしは腰も悪い。満身創痍。

おなかの空き心地や、息のし心地がこれだけちがうのを知ると

もしや、多くの人たちは、こんな感じが普通で生きてるのかしら…という気持ちが芽生えてくる。

それと同時に、他人の考えや感じていること以前に、他人の生きている心地なんてものは、本当に想像もつかないなと思えてくる。

あの人は、あの人は、どんな心地で息をしてるんだろう。

他人のことは、本当にわからないものだな。

畏敬の念に姿勢を正す思いになる。



これは、試作のキャロットケーキ。

わたしのベストオブキャロットケーキは、コフィアエクスリブリスのキャロットケーキで

それとは全然ちがう、ほど遠い。

にんじん感が足りないから、今度はもう少しにんじんを増やしてみて、鬼おろしですりおろしてみようかなとか

しっとり感も欲しいから、ヨーグルトみたいなものを入れてみようかなと考えている。

こういう思考と試行好きなところは、完全に父譲り。

昔に、役者の先輩に「あんたの考えようとしてることなんて先人が本に書いてるんだからそれを読んでればいい」と言われ

考えたいから考えてるんだもん!と思ってたけど
今ならその先輩の言ってることもよくわかる。

先人の書いたことを読もうが、考えることなんて無限にあるのだから

人生を費やして思考を進めてくれたことの恩恵をちゃんと受けようと思うようになった。

キャロットケーキのおいしい解はもう出ているので、ぜひ、コフィアエクスリブリスへ。