いにしえのかぜ

 1月も終わり。

3年以上ぶりの発熱に、これはついに、わたしもやられたかと病院で検査してもらう。

しかし検査では何にもヒットせず
しっかりと、いにしえの風邪を引いていた。

自分のナウくなさに、つい笑ってしまった。



「春隣」というきれいなことばをカレンダーで見て
大寒の、病み上がりに作った料理たち。


高野豆腐の鶏団子とかぶスープ煮



菜の花と豆腐の炒め煮
かぶの皮のお漬物
かぶの葉ふりかけ
と、たけのこの器


新じゃが肉じゃが


新じゃがは、土が香ばしくて、散歩の途中で草の気配に立ち止まっちゃうときみたいに、食べながら何度も箸を止めた。

春の萌(きざし)は、やっぱりたしかに、希望になるな。

寒い部屋にあたたかい陽がひとすじ差すような、わずかでたしかな希望だな。

去年も感じたことを、今年もまた感じた。

自然のめぐりのありがたみ。



熱の中でたくさん眠り、たくさん夢を見た。

名前のない風邪は今もしっかりあるし、
理屈は痛いほどにわかるのに考えれば考えるほど体現できないこともあるし、
こうすれば解決したはずなのになってことが、どうも解決しなくなっちゃうこともあるし、
あるみたい。

よくわかんなくてもあるもんはあるんだから
時には諦めて

はひふへほしか発音できないみたいなひとになって

はふはふ、へほへほ

手に掴みも、乗せもせで

かたちがあるようでないような球みたいなものを、
壊さないように落とさないように

宙に浮かせ続けるのを
ただただ手を添えて守り続けるような

そんなかんじでいいんじゃないかしら。

ことひは、ほんなかんじが、ひ〜な〜。



もうすぐ2月。

はふはふしていられない、確定申告が始まります。
ひー。