中島鉄砲火薬店

 『中島鉄砲火薬店』
おかげさまのおかげさまで、全公演無事に終演いたしました。

ご来場、ご尽力いただき誠にありがとうございました。

このような状況で、全公演おこなえることの奇跡たるや。

日々の、この公演に触れるみんなみんなの対策の賜物ではありますが
どんなに気をつけても願ってもそうはいかない公演がたくさんありますので
ただただ、ご協力の上の、偶然の幸運に感謝するほかありません。

ありがとうございます。


フクシュウのような、シュクフクのようなものを見つめている日々でした。

最後の場面で、客席の皆様までもが近所の人たちのように朗らかに笑ってくれていたことが
すごく嬉しかったです。

なんというか、これから先、この世を生きていく仲間が増えたような気になりました。

生きていくのはなかなかたいへんなことですから、仲間がすこしでもいるといいです。

勝手ながら、失礼しました。


今回演じたのは、新撰組元隊士、中島登の妻・ヨネでした。

個人的には、自分のことよりも人のことを思える人の役が
私にやってきたことが、とても大きな変化でした。

これまでやってきた役も皆それぞれに人を思ってはいたのですが
まあ、ヨネさんのようなかたもそうそういませんので、
はあ、私がヨネさんを、と思いながら過ごしていました。

多分これからの私の人生には、
いつも左胸あたりにヨネさんがちょんと正座しているんだと思います。

それで、私がごちゃごちゃ難しく考え始めたり
自分のことでいっぱいになると
「あらまあ」と言ってぽかんとしたり、笑ってくれるんだと思います。

そんな、いい出会いでした。


中島登のご子息で、日蓮宗妙建山 本立寺のご住職である中島大成氏が
この公演中、なんどもなんども、美味しいご馳走を贈ってくださりました。

本当にありがとうございました。

美しいので、よかったら姿だけでもおすそ分けさせてください。





こんなご馳走をいただき、そのからだで舞台に立って、唐橋充さんが演じる登さんの姿を見ていると
ああ、命を分けていただいているのだなという心地がしました。

歴史を学んでいるだけの頃は、新撰組も寓話の中の存在のように感じていましたが

ほんの150年ほど前の、現実の話で
命を繋げてくれた人がいて、今があるのだなと実感しました。

多分きっと、それは劇場に集まって演劇をやることもそうで
お客さまのひとりひとりが、大切な時間を渡してくださること
そこで空気をやり取りすることも、命を分け合うことなのかもしれないなあと大げさながら思いました。

今の時代、あまり大げさとも言い切れないのが大変な世の中になってしまったなあという気がしますが

この時間をご一緒できたこと、本当に感謝いたします。


ご来場をご検討いただいたかた、ご予約いただいていたけれど感染症対策のためにとりやめてくださったかたがたも、本当にありがとうございます。

どうかどうか、お体ご自愛ください。

そして、配信がなんと決まりました。

あす、28日午前10時から販売いたしますので、こちらもぜひご利用ください。

詳細はこちらをどうぞ。
https://eplus.jp/sf/detail/3523240002?P6=001&P1=0402&P59=1



またお会いできる日まで、
たくさん食べて、たくさん眠って、よく笑ってお過ごしくださいね。

みなさまの健やかで朗らかな日々を祈っています。



愉快で頼もしい妹・おヨシちゃん、市橋恵さんと。

脚本・演出の伊藤栄之進さんと。