秋風
ワクチンを打つのにそなえて、冷蔵庫の中にある食材を全部調理した。
もしも私がどうなってもいいようにって考えてのことだったけど
調理して何になるんだっけ。
いつでも食べられるってこと?
死んじゃうとしたら食材のままとどっちが残されるのはいいんだろう、とか
舞茸と豚肉を煮詰めながら思った。
生きてたので、全部茶色いな、と文句を言って食べた。
しかし、すこし寒くなってからの空気と、夕飯を作る香りってとても相性がいい。
自分の家のものも、どっかの家からのものも。
習字教室からの帰り道の、遠い焼き芋屋の声を思い出す。
秋って香りがわかりやすくなるのかもしれないと、電車の乗り換えで誰かの香水の香りが立った時も思った。
何故なのかしら。
安静にしようと、部屋の電気はつけないで
画面なんかも見ないで
ラジオだけずっと聞いていた。
9月の海はクラゲの海が流れて、ナイスだった。
ふと気がついたら部屋の中にカナブンらしき虫がひっくりかえっていた。
ちりとりにのっけて、外に逃がしたら、生きてた。
背中があらわになったので、しらべてみたら、
カナブンじゃなくてシロテンハナムグリだった。
なんでうちのなかには、しれっとムシたちがいるんだろう。
家の中に緑があって、ムシがいるのを見るのは気持ちがいいものだけど。
陽の当たるキッチンに住むのが夢で、思ったよりも早くかなったんだけど
映画を見てたら立て続けに出てきた外にある台所がとっても良くて憧れてしまった。
キャンプ場みたいな感じ。
ジャバジャバ洗ったり、モクモク焼いたりできるのが良さそうだし、
風が抜けて気持ち良さそう。
どんどん自然と混ざりたがっている。
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さて、今週末はこちらに参加します。
日本劇作家協会
「月いちリーディング」
【日時】9月11日(土) 15:30 /Zoomによるオンライン開催
【参加費】無料
当日、無料でzoom上でご観覧いただけます。
たくさんの人がいたほうが楽しいので、よろしければご参加ください。
リンク先でご予約受付中です。
そして、公演中止になりました「あっちにいく前に。」の払い戻し受付が始まっています。
詳しくはこちらをご覧ください。
お手数をおかけしますが、よろしくお願いいたします。