雪なる
雪が降ると聞いたので
かぶと鶏団子のスープ煮込み、数独、
ひれ酒(鬼ころしで追い炊きも)。
好きな居酒屋で飲むひれ酒が美味しくて
もう一年は欲している。
最高に美味しい出汁なのだ。
家で飲んでも、あの味には到底及ばない。
これもおいしいけれど。
雪が降ると聞くと
頭の中で、エンケンの『雪見酒』がズンチャズンチャ流れ出す。
ズンチャズンチャ、粉雪が降り積もる絵も浮かぶ。
一度、赤坂ブリッツのライブで、生で聴けたのが嬉しかった。
雪見酒になると思ったのに、降らなかったでやんの。
最近、『孤独のグルメ』をずっと観ていて
食べたいものと行きたいお店が、しっかりと影響を受けている。
昨日は、触発されて家で
冷蔵庫にあるものすき焼きをした。
すき焼きの卵って何個食べていいんですか。
葛藤しながら締めに餅を食べたら、餅の数でも葛藤しなくてはならなくなってしまった。
井之頭五郎さんが、じゅるりじゅるりと美味しそうに食べる様。
バイキングで居合わせたお客さんとマスクしないで話しながらおかずをとったりとか
カウンターに置いてあるオリーブオイルをつどつどかけながら
その手でピザをじゅるりじゅるりと食べたりとか
なんでもないことが遠い昔のファンタジーに見えて泣きそうになった。
この屈託のなさが、おいしさの大きな一つに決まっているのよ。
リアリティなんて、一年もかからず、時によっては一瞬で変わるものなんだな。
そんでもっと言うと、個々人のリアリティがあり、それらが交差しまくっているのが常なのね。
ひれ酒、テイクアウトできないかな。
やかんもっていくから。