ひんやりとした居場所



1日の長さは、
その日のピークがどこにあったかで決まってくるんだなって気がしてきました。

このごろはお昼か夕方に運動をしていて、そこがピークだから
今はまだ夜9時なんだあって感じ。

19時から21時まで舞台の本番をやっている日々は、そこがピークだし
ピークの高さが高いから、降りてきて眠りに落ちるのもなかなか大変だ(笑)



さて、この度、オンライン公演に出演することになりました。
先日も書きましたが、オンライン演劇はいくつか観ていて、面白いなあと思っていました。

いくつかの小窓からはなしている図が可笑しくて、顔もよくみえて。

わたしもやれることがないだろうかと考えていました。

でも、あっという間に飽和して、告知で見るオンライン演劇がzoomの分割画面というだけで「同じもの」に見えてきて
観れば面白いけれど、入り口にたどり着かない人が増えていきそうだなあと感じていました。

オンラインの画質や音質、通信の質とか、いろんな制限の中で飽きずに新鮮に、
集中してみてもらうのはとても難しいと思っています。

でも、今ある環境でできることを模索し続けたり、何より作ることを止めない人たちを尊敬しているし、わたしもそうありたいなと思います。

そんなときにちょうど声をかけてくれた函波窓さんの作品です。

本作は、3つの物語を並行して配信します。

立体的に、三つの物語に包囲されながら、ひと時を楽しんでいただけたらいいなあと思っています。

うまくいくかはわかりませんが、実験のどきどきも一緒に共有していただけたら嬉しいです。

居場所はいくつあってもいいと思います。

ここもまた、一つの居場所になって、だれかにハマればいいなと思うし
わたし自身、この物語にひとつ安らぎを感じました。

あたたかいばかりが居場所ではなく、
ひんやりとした居場所に心地よさを覚える人もいるのではないでしょうか。

わたしには、どちらも必要です。



「スイートスポット」
作・演出 函波窓(ヒノカサの虜)
2020年5月30日(土)、31日(日)
開演(両日共)19:00
会場は5分前より

[料金]
無料カンパ制

[場所]
youtubeなどにて配信予定


[出演]
-風俗編-
榊原美鳳(ハダカハレンチ)
福永マリカ
永田紗茅(柿喰う客)
たかはしあいこ

-密会編-
渡辺裕也
三浦葵(劇団いいのか…?)

-同棲編-
青沼リョウスケ(劇想からまわりえっちゃん)
函波窓(ヒノカサの虜)




[あらすじ]
近未来。マスコットと呼ばれる自分の姿をしたアバターと精神データを同期し、インターネット上で自由に暮らせる電脳の街「スイートスポット」
免許の更新や行政の取引など、現実で出来ることの90%はそこで賄うことが出来るとまで言われていた。感覚までも共有できるその街は、もはや人々にとってのもうひとつの現実となっている。

しかしそれでも、本当の現実は消えることなく続く。もがけばもがくほど沈むほの暗い沼が、現実の体を引きずり込む。これはそこから抜け出そうとする人々の話。どこにも居場所のない、まるで本物の僕らの話。

[概要]
今回は上記の設定を同じにした三つの物語を、時間を揃えて生配信しようと考えています。なので、三つそれぞれが別のアカウントから19時ピッタリにスタートする予定です。どれか一つを見てもいいし、二つ三つ同時に見てもいい。そういう風に現在作品をつくっています。(実際はどうなるか分かりません)
これは僕自身が、自宅で見る公演映像などに集中できないぜ!というところから発案したものです。配信での公演をどうすれば、より演劇的な緊張感を持って見れるか、ということを考えながら書きました。
そしてもうひとつ。作中の「間」が意図的に長い場所をいくつか設けました。長い沈黙が、自宅で見る緩い体には効果的に響くのではないかと思ったからです。
他の作品を気にしたり、いつ物語が動くのか待ったり、それらの条件が配信での公演にどんな影響を及ぼすのか。
今後に繋がる実験公演になればいいなあと思っています。よければ見てやってください。