引力

目覚めから0秒で起床した。

床から、起きた。

そんなの記憶の中では高校生ぶり。

夢の中で、起きる準備をしてた。

だから0秒で起床できた。

あの感じは、なんというか

よく効率化された工場の流れ作業、に似ている。

と言うより、工場のラインに乗った、製品みたいな気持ちになる。

「目覚めの瞬間が一番、宇宙の引力が強い気がする」

というメモを、いつかの目覚めに、残していた。

たしかに、あの瞬間、どこかからどこかへ、

吸い出されるような心地がするのだ。