聖夜はいつでも

不思議な気持ちの夜だった。

ベッドで天井を仰ぎながら、ふと窓を見やると

隙間から細い三日月がちょうどのぞくところにあった。

この窓から月が見えたことって、あっただろうか。

爪でちょっとひっかいて夜空に穴を開けたみたいな三日月が、

部屋のベッドに寝そべりながら見られるなんて

とても嬉しい気持ちになった。

『ばばばあちゃんのいそがしいよる』という絵本がとても好き。

星空を見たいがために、夜空の下、あれやこれやと自分の部屋の中のものを持ち出してきてしまうのだけれど

今夜は、部屋の中なのにちょうどそんな風な感じがした。

もうすこしだけこの絵本の話をすると、こんな風に生きたいなあと、たびたび思う、私にはとても大切な物語。

この間、舞台の稽古のために、みんなでスタジオセットを作っている時にも、この絵本のことを思い出した。

好きなものをみんなで集めてきて、
みんなで快適に楽しく暮らすための場所をつくる

そういうものにとても、心惹かれる。

どこが部屋でもいいし、

心地よい場所が、居場所になるみたいな

軽やかさがいつも欲しい。



ちょうしにのって始発近い電車に乗り込んで見たら

思いの外、人が多くて、元旦かと思った。

みんな昨日の匂いを連れていて、ああ、金曜日だったのかと思った。

元旦は吹っ飛ばしすぎだなあ、と

せめてものクリスマスソングをプレイリストから引っ張り出し、電車に揺られている。