稽古とか本番とかないから!という江本純子ちゃんのもと
醤油理論から始まる新しいセックスの形その3『事務王1』、
つくっておりました。



実際私もそんな気分だったので

家に帰ってきて一人で酒盛りをしています。

明日からはもう、あの場所で『事務王1』を作ることはないので

今日までのことを噛み締めながらビールを飲んでいて

調子がよかったら日本酒へ移行します。

昨年の12月に純ちゃんと共演して出会って

2月頃にワークショップに呼んでもらって。

正直私はビクビクで、ここでは何も歯が立たない!という気持ちになって

ああ、出演なんてできないなああああと
しばらくうじうじしていたのですが

そんな及び腰の自分を見て
「これはなんだかそういう自分と戦わなければならない気がする」
とものすごくつよくおもって

「参加させてください!!」と声をあげました。

その頃から私は、ここでも何度か書いた
「自分の好きなものが作れない」ことについて悩んでいて

そのワークショップでは、私がやれるようになりたい芝居をみんながしていて。

ああ、ここで逃げたら会えなくなっちゃうな
となんとなく思ったんだと思います。

実際に参加して、集まっているのは

これまでに客席から見ていて好きだった作品を作っていた人ばかりでした。

ギャラリールデコという会場は真っ白な壁なのだけれど

ここに集まっている人たちは、みんな
その真っ白な壁の前に立つと

物語や、時間や、景色が
自ずから流れてくると感じました。

ああ、私はこれに憧れていたんだなあと
毎日密かに感じながら眺めていました。

そんななかで私も!と立っているのは正直非常に怖かったですが

自分なりの、自分に似合う武器を探すことは

自分のとっても醜いところを受け入れて、認めて、
反転してひけらかすくらいのところまでいかなきゃとおもえて

ああ、自分の人生にとって大事な時間でした。

それが一番の、うれしかったことです。



ああ、結局人が好きだし
好きでいたいし
好きでいることを諦めらんねえなあ

ということを

醤油理論から始まる新しいセックスの形3篇を眺めながら思いました。

そういう諦められなさを

人間と動物を

野性と理性を

どうしようもなく行き来している江本純子ちゃんは
どうにもやはり見てしまうのです。

きっと私の旅もまだ続きます。

諦めらんねえなあ、と
一向に行き来し続けます。

ありがとうございました。