ころびほころび



5歳のころ、一ヶ月入院していた時

まいにち平然とすごしていたのに

ある日の面会時間の終わり

ゲームボーイを親に返さなければならないことに

突然いかり、泣き狂ったわたしを

昨日の稽古中にふと思い出した。

あのときの、滲んで、ぶれた、病院の廊下
体を押さえつけられた感覚。

人の我慢の限界って

突然、それもくだらないタイミングで訪れるのだな
はずかしいな

と、そんな景色を眺めながら思った記憶がある。

映画『ホテル・ルワンダ』の主人公・ホテル支配人のポールが
戦禍の人々を守ろうと動きつつけたある日

ネクタイがうまく結べない
たったそのことで堰を切ったように崩折れてしまう

あのシーンが印象に残っているのも、そういう記憶からだと思う。



なぜこんなことを思い出したかというと
きっと

今稽古しているその役も
我慢の限界が訪れてくれるのをこころのどこかで待っていたからだと思う。

自分の決断でなく
限界だよと、何かが決めてくれるそのときを
待っていたからだと思う。

そしてそれが訪れず
テロリストになってしまったからだと思う。



最悪の結果から眺める
たくさんの可能性と未来のあった日々を
いきいきとつくっています。

ぜひ、くだらなくも尊い逃げ道を探しに
いらしてください。



オフィス上の空プロデュース
火遊びpray.08
『焔の命ーー女優の卵がテロリストになった理由』
脚本・演出 松澤くれは

5/9(水)〜13(日)
恵比寿エコー劇場

5/9(水)19:00
5/10(木)19:00
5/11(金)14:00/19:00
5/12(土)13:00/18:00
5/13(日)12:00/16:00

チケット
前売り 4800円
当日 5000円

あらすじーー
2020年、オリンピックを目前にした東京で連続爆破テロが起こる。
犯行に及んだのは演劇集団『焔の命』だった。
彼らはどのようにして日本を震撼させる事件を起こすに至ったのか。
事件の真相を追い、1人のライターが主犯の女の足跡をたどる。

ご予約
http://ticket.corich.jp/apply/90740/006/