できることで、できたもの

photo by Aoi Momoco

みんなちがってみんないいのは知っていた。

だけど、とびきりにいいな
自分もこんな風だったらいいのに
とおもうひとが

目の前にいたことはたぶんあまりなくて

そうなれないことにとてもなやんだ数ヶ月間だった。

一度解消したつもりで

まだまだ考えていた。

じぶんのすきなものをどうしてわたしは作れないんだろう

こんなにどんなものが好きかってわかってるのに
どうしてわたしはそれをできないんだろう

とてもくやしかった。

だけどおととい、ふとした瞬間に

わたしのすきなものをつくってくれるひとが目の前にいるのだから

わたしは存分にそれを味わっていよう

そしてわたしはわたしのできることを目一杯やろう、とおもった。

それはなんにも、弱いことじゃない、とおもった。

きっとわたしは、自分もゼロからなにかをうみだせるひとになりたいと

ならなくちゃとおもってきた。

でもわたしは役者として

そのときそのときのうつわに

ここちよくおさまったり、
ちょっぴりはみだしたりすることを

これからもすればよいのかもしれない。

うつわをうみだせなくても

そこにそそぎこむことはできる

かたちをかえて自在に在ることはできる

それをほこってゆこうとおもえた。

おもえたところに

「自分自身が作品だよ」

そんなことばを、りぼんみたいにかけてもらった。

ゼロから生み出すのは自分自身でいいんだった。

それだとしたらわたし

わたしの生きていることを、とても気に入っている。

好きなものを作れている気がする。