帰れないふたり


わざとまわりみちしてかえりはじめたのだけれど

もうわざとのレベルじゃない

ぜんぜんかえれない。

あんまりいろんなことを

同時にできない人みたい。今は。

今年はもうすこし、
そこのところ器用になってもらわないとこまる。



それはさておき、
きょうは脚本と演出で参加する
ひとり芝居フェスティバルの照明・音響リハーサルだった。

きょうのことは結構前から不安で

じぶんのやりたいこと
描いてること

人に伝えるのって、正直たいへんだし億劫だしむずかしい。

でもそれをおこたったらなにもはじまらないのもよくわかっていて
誰かにお願いできたら
広がる世界があるのもわかってたから

きょうは、ひとやま、だった。

だけどはじまってみたら、そんは不安はどこへやら

照明さんも
音響さんも

とても丁寧に話を聞いてくださり
ゆっくり確認してくださり

わたしのわからないこともたくさん提案してくださった。

わからないことだらけなので

プロのかたがたにきくのが
はやいにきまってた。

あたりまえのことだけど
ちゃんと教えてもらうことができて、小学生みたいにうれしかった。

ふたりきりで稽古をしているから
どうにも言語感覚が個人的になってゆくので

きょうは次元を変えてことばを選んだけれど

それをちゃんと汲み取ってくださったことも、うれしかった。

さいきん、この作品をつくるうえで
星野源さんがアルバム『ばかのうた』をつくったときのメイキングをみるのがとても好き。

個人的で抽象的で具体的なことばえらび

それを汲み取って提案するバンドメンバー

みつかったときのきもちよさ

わたしまできもちいい。

そんなメンバーを見つけたことがまず素晴らしいこと。

でもきょうは、はじめてあった照明さんと音響さんと

いっしょにつくることができてうれしかった。

おふたりとも女性で
そのことも功を奏した気がする。

そう、おもえば今回の作品『けつろ』は

わたし自身がはじめて、女性であることを受け入れて、みつめて書いた。

何かを二分するのが嫌いでずっと避けてきたけれど

なんだか今なら、みつめられる気がした。

そこから出てくるものは、なんなのか

二分できないものなのかもしれないけれど。



うむ、そしてまだ帰れない。

演じている関森絵美ちゃんも、さいきんよく電車を乗り過ごすらしい。

どうも、トリップしている。



ひとり芝居フェスティバル参加作品
『けつろ』
出演 関森絵美
脚本・演出 福永マリカ
1/17 17:30
1/21 19:00
1/28 16:00
アポックシアター千歳船橋
チケット 1500円