あける




新年一度目の
原将明さんがいない一度目の
朝劇下北沢でした。

いない、ということは
いた、ということを実感する時間でもあって

そこにひとつ
空間があいているような
そんな心地がしていました。

それはまだこころぼそくもあるのだけれど
でもそれいじょうに

ぐんと視野を広げて
ふところをひろげて
あたらしい地へみんなで行くぞという

あたらしい自由の余白のようにも受け取ることができて

はなうたをうたって
その空いた空間に風を流しておきました。

やさしい時間をたくさん知ってるから
それがなによりもいつくしむ時間だと知ってるから

そうしてすごしてゆこうと
気張りそうになるたび
はなうたを歌います。

今日はゲストの大川香織さんが
ご自身の中に詰まった夢のようなものもつれてきてくださったおかげか

「いつものいつか」のもとになった
その数年前を描いた原将明作品
「リブ・リブ・リブ」の
夢を抱えて上京した少女のようで。

その背中に「いってらっしゃい」と見送る
当時、少女を演じていた関森絵美ちゃんが
またときの流れを感じさせて
あたらしいかんがいにいたりました。

大川ちゃんの存在は
原将明作品に欠かせない
ファンタジーを現実に連れて来てくれる女の子みたいで

今日のゲストであったことの
意味のようなものを感じていました。



終演後には誕生日もお祝いしていただき
身にあまる思いでした。

去年も同じように
ここでお祝いをしていただき
その光景と重なるものがありながら

自分の居る感覚の変化や
変わったものや変わらないものが
一瞬にしてあらいだされるような瞬間でもありました。

とびきりにうれしいことだったから

これもまたはなうたをうたうみたいに
さりげなくただよって
とくべつじゃなくていいから
ずっとあればいい
とおもいました。

あいまいなことばしかいえないのは
たいせつで、こわしたくないからです。