けつろ

関森絵美ひとり芝居
『けつろ』
無事に終演いたしました。

ご来場いただいたみなさま
ほんとうにありがとうございました。

たくさんの方にお越しいただけたこと
とてもうれしかったです。

さあ、なにかをまとめに書いてみようと
習慣のように思ったのですが

此の期におよんでなにをことばにすればいいのか
いまひとつわかりません。

なぜこの作品をやったのか
未だにわかってもいません。

なぜだったんだろう。

今回は、タイトルから先に決めました。

『けつろ』

このわけはわかっていますが
説明せずにおきます。

この話を書く前に関森絵美ちゃんがふと
「ぜんぜん安心されたくないんだよな」
と言っていたことが、今回の私に火をつけたことも確かなことだと思います。

だってそれは
わたしも
ぜんぜん安心されたくないからです。

それは書き手として、はじめてあける扉だったと思います。

感想の中で「魂」という言葉をよくいただきました。

それですこしわかったことがありました。

だからわからないまま、きっと
一生向き合っていくような予感にかられているのだと思います。


そんな魂の旅をはじめさせてくれたのは
他でもなく関森絵美ちゃんでした。

きっと彼女という心身があったから
巣立っていったものだったのだと思います。

そんな異世界を身体の中に通した絵美ちゃんが
これからどうしてゆくのか

わたしはとても、気になっています。

ヘンテコな距離感ですね。

二人で作っているのに

お互い背中を見ているような旅だったように思います。

「ひとりだな」と思うような
旅だったと思います。

だからその背中がどこへ行くのか
地続きで気になるのです。

わたしもどこへ行くのか。

でもきっと
この澄み通った部屋に
すきなものをすこしずつ
ひとつずつ
ほんのすこしずつならべてゆくのかもしれません。



ひとりだとおもいすぎているのに
まったくひとりになれていなかった
あの頃のひとりが底を尽きて

とってもひとりであるのに
ひとりではないとおもえる日がきました。

このときがずっと欲しかったのだと思います。

旅のさきに
手には取れないけれど風で感じるような

そんな欲しかったものをみつけたようだと

こうして書き綴りながらおもいました。

たくさんの感謝を。