ひとりひとりのひとり

ひとは不思議だと
スケールのおおきいことを
あいかわらずかんがえてる。

意識というのは
ほんとうに不思議。

おなじにんげんでも
一ミリでもそのフレームがズレると
まったくちがうひとのようになる。

フレームが動かせるようになるにも
一苦労だけれど
動くようになると日々変わる。

止まれないくらい、変わる。

ほんと不思議。

最近は、日々、いろいろな場所で
いろいろな仕事をしているから
なおのことそれを感じる。

なにより同時に
たくさんのひととともに時間を過ごすから
ひとり、ひとり、を
粒立って感じる。

それがいま、とても、興味深い。

正確な調査をするために
たくさんのデータが必要なように
たくさんのひととすごすと
自分がどこにいるのかよく見ることができる。

瞬間、瞬間に、
全身でいるけれど

こうして帰りの電車に乗ると

どこにもいないわたしになって

そのすべてにいたわたしを
とおくからながめる。

ごった煮の時間が、実はとてもたのしい。



来年のはじめ

関森絵美さんが出演する
ひとり芝居フェスティバル『APOFES2018』に
脚本・演出で参加することになりました。

絵美ちゃんが、つよく肚を決めた眼差しで、わたしに託してくれた瞬間のことを

とてもよく記憶しています。

わたしは、たのしそうだからと
「いいよー」とかろやかに返事をしたけれど

その後、どんなふうにつくるか
たくさんことばやなにかを交わす中で

絵美ちゃんのあの瞬間の「覚悟」の意味を
ゆっくりと理解したようにおもいます。

そしてきっとこれは

絵美ちゃんにとって、からはじまり
わたしたちにとって、
わたしにとって、

まるで脱皮みたいな
事件になる予感がしています。

わたし自身が
頭の先からつま先まで
生まれ変わるように、臨むつもりです。

ふたりで、
生粋のひとりを
つくります。

どうぞ、ご期待ください。

『APOFES2018』
2018年1月12日〜28日
千歳船橋APOC THEATER