しゅうぶんのぶんしゅう

秋分の日。

ぱたん、と一年がおりかえされる、まんなか。

ちょうどわたしはまんなかの心地にいて

ふしぎなくらいほそいところに、安定して立てているようなかんじがする。

感じたことのない心地。

すこしまえにふれた、自転車に乗れるようになる感覚に、すこしにてるかなあ。

ひとすじのみちに、すっとはまって、まっすぐすすめそうな。

あらゆる混沌が
混沌のまま
身をまとってくれてあったかいような。

きょうは高校二年生の女の子と話す機会があって

受験がしんぱいで焦っている、っていうもんだから

大丈夫だよ、なるようになるよ

と言っておいた。

17のころを思うことが多い最近は、彼女くらいの頃のわたしとよく話す。

17のわたしに、感謝する機会がおおいからだ。

17のわたし、頑張っていてくれてありがとう。

あなたのかわりにいまは、まわりにいてくれるすてきなひとのあたたかさに

ちゃんとかおをうずめて過ごしているよと

はなしかけたいきもちだからだ。

誰かのやさしさにもたれかかることができるようになったとき、

ほんとうにひとりで立てたのなら、と

おもう25さいなのである。

いつのときも、あたらしいことをおもう。

いつのときも、そのときだけの実感が尊い。

だから17の彼女に、いまのうつくしさを浴びてほしいと切におもった。

あせりもうつくしさかも、しれないね。



ひとりと、ひとりじゃないを

つよさと、よわさを

おりかえしたいまのわたしは

そのあいだのかすかなすきまを

すーっとはしれそうなのだった。