一声

仲代達矢さん×春日太一さんのトークイベントに行ってきました。

満員満員で、後ろの方の席に座ってしまった私は

おふたりのお顔を見ることはできなかったのですが

これはチャンスと、うつむいてお二人の声だけに集中してお話を聞くと

とても、とても、よかった。

今回は「仲代達矢が語る日本映画黄金時代」の発売イベントだったのですが

その中にも仲代さんが、声を大切にしていらっしゃることが書かれていて

意識の澄み通ったその声、振動から伝わるもの

またその声で語る、役を通さぬ仲代さんご自身のことばは

きっとこの機会にしか耳に届かないもので、本当にかけがえのない経験でした。

仲代さんのユーモアでつくる風通しに色気を感じ

また、仲代さんの文脈に、お餅つきの手水のように心地よく入る春日さんのことばに

お二人の素敵な関係を感じました。

仲代さんが春日さんを大切に思われていることを感じ、とてもうっとりとしました。

短く貴重な時間の最後、

そこに足を運んだひとりからの
「迷うことばかりで人生が苦しい」といった内容の質問に対して答えていらした

仲代さんのおことばと、その響きが
生きて生きても、今ここに新たに生きて震える音で

今ここで生まれたばかりのことばと、声と、響きと、振動で

わたしはからだじゅう震えるおもいでした。

新しく生き、新しく生き、
ただそうしていこうとおもいました。