青く萠ゆる

15年前にお世話になっていた人を
道端で見かけた。

声は、かけられなかった。


行ったことのない場所に行った。

行き帰りの道程に一番、感じることがあった。


誰かの願いが届いた。

やったあ、と思った。


洋服を衝動買いした。

すぐさま身につけて歩いた。



6年分の音楽とボイスメモのデータが消えて無くなった。

それ以上に聴きたいものがあったから、あまりショックじゃなかった。



ぽつんぽつんと起こったことを並べた。

何を結びつけることもなく、並べた。

どれに痛みが伴って

どれに痛みが伴わないのか

わかった。

まだその傾向については考えてなくて

痛いことを痛いと、口に出してみることから

はじめてみることにした。

痛みをなくす必要よりも前に

その事実を、ちゃんときいてやることにした。