永遠という嘘



珈琲が飲めずに、紅茶を飲んでいた。

布団から出られずに、ずっと横になっていた。

そういう日だった。

イッセー尾形さんの背中に、
胸が苦しかった。

ドラマ『カルテット』のはなし。

ひとにはひとの、いきかたがあって

どうにかしてそれをまもれないものかとおもってしまう。

全員分。

そんなことをいっていると

ひとにふれるたび

いたいいたい、とうずくまってしまう。

だけどこんなとき、近ごろは

ほしのことをおもいだす。

原子と原子が出会って、はじめて発光すること。

それはうつくしいだけではないけれど

ゼロが、イチになること。

いたいいたい、も

そのいたみなのだと、おもう。

まいにち、おもう。

ただしさも

おもしろさも

すきも

すてきさも

うつくしさも

すべてべつの線を描く。

それぞれがまじわりあって
なにかができている。

ぐわんぐわんと
その交差点を変えながら

うごめいている。

きっとわたしがほしいものは

そのうごめきがとまったら
なくなってしまうもので

だから決定を下すことができないのだと思う。

これからも、ずっと。



紅茶がおいしい日があって

布団が気持ちいい日があっても、いいと思う。

また外の空気に触れて

いたい、きもちい、やさしい

がうまれるときが、すぐにくるから。