生、活

昨日みた映画の『オーバー・フェンス』が
なんだかよくて
あ、すきだなとおもった。

何がすき?っていう質問、すごく苦手なんだけど

すきなものをみれば
すきだということはわかるのだなあ、とおもった。

ちょっとあんしんした。

音楽で言うと、
柴田聡子さんとか
ときにハンバートハンバートとか

え、それ、もしや裸?みたいな

ちょっとしたなまめかしさと

ざらつきのある生活感と

さらにはファンタジー。

それがあるものが、すきみたい。

ものすごく腑に落ちた。

皮膚のにおいがしそうなかんじ。

あれ、けっこうすき。

たいらかで、なんにもないのに

皮膚の下で、ふつふつとわきたっていたり

いろめきたっていたりするかんじ。

すごくすき。

ああ、おもえば吉本ばななさんの『キッチン』もそんなかんじ。

ひとんちに、おじゃましたときの

あのなんとも言えない居心地のわるさと

ちょっとだけ悪いことしてるような心地と

それなのに、居る、あのかんじ。

とってもすき。

自分の正しさ、みたいなものに

幾度となく迷える人間なんだけど

自分のすき、は、正しい、でよいとおもうので

ひとまずのあんしんをえた。

幾度となく、おもいだせばいいとおもう。