ときのしっぽ

「ほんとうにいやだなあ、とおもっていることって、ちゃんと過ぎ去るんだっけ」

とおもっている時間と、

「ほんとうにいやだなあ」

とおもっている時間と、

「ほんとうにいやだなあ、とおもっていたことも、ちゃんと過ぎ去ったわ」

とおもう時間。

そのすべてを、このまえひさびさにすごした。

いやだなあ、には、希望もちゃっかりまじっている。



「大丈夫、なにがあっても時間は勝手に進むし、過ぎるから」って

よく母に言われたことをおもいだす。

たいていのことは、それで乗り切ってきた。

時間が進んで、たすけられてきた。

巻き戻したい!とおもう後悔も、もちろんたくさんした。

でもそれさえも

時間が進めばわすれたり、癒えてきた。



なんて書きのこした今朝をおもいかえす今夜は

とうに忘れてたはずの
いつかどこかの怒りとかなしみが

ふいに、ふつふつと色彩鮮やかに湧き上がってびっくりする。

まだ生きてたのかい。

時間は、行き、来、するんだな。

時計のうえにある時間、だけが

時間、じゃないのね。