とおくのきおく

時間を手に入れるには

電車に乗るのがいちばんいいようにおもう。

なんの目的もなく

ただただ長いこと電車に揺られる。

自分は止まったままなのに

すすんでる。

気がつけば知らない場所にいる。

そうすると、なんだかタイムトラベルみたい

時間がうまれたきもちになる。

きょうはいつもいかない場所に行ったので

さらにとおい場所まで

ひたすら電車にゆられてすごした。

時間のトンネルのなかで

止まることのできなかった日々を立ち止まって、つかんで、はなした。

たどりついた駅。

ドアが開くと冬のしんと冷えたかおりがして

季節まで越えたみたいにかんじた。

そしてうそみたいだけれど

そのまちで、何年も探して見つからなかった絵本と、再会した。

わたしが小学生の頃、毎日図書館で読んでた絵本。

ずっと、ずっと、

会いたかった絵本。

買って、読むと、

やっぱりさいこうにすきで

ここにわたしのことばや、物語の、原点があることを知った。

わたしのことばの教典なのかもしれないとおもった。

3年ほど前に書店で見つけた時は、ひとにあげちゃったのだけど

こんども、ひとにあげることにした。

だいすきなので、あげることにした。

それは、さかなをうみにかえすようなきもちで

てにいれるのは、すこしちがうきがするのかもしれない。

もっとむかしっから、てにしてたものがあるから

ひっそり、ひびにおりこんで、

そのそんざいをかくにんできたら、いいとおもった。

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