味来

味で勝負!江戸っ子ラーメンみん亭

ということで、どういうことなの、

下北沢駅前劇場で
平岩紙さんと近藤公園さんの二人芝居
『あたま山心中』を観てきました。

ちょっと息を飲みすぎて窒息するほど美しかった。

狂いそうに美しかった。

『悪魔を汚せ』でお世話になった方々がたくさん関わっていて

舞台監督は田中翼さん、音響は岩野直人さん、音楽は坂本弘道さん

そして演出は、寺十吾さん。

寺十さんのつくる時間は、
どうしたものか白目を剥きそうな、翻りそうな美しさが充満してて

味わうとその時間が終わるのがこわくなる。

はちきれそうに激しい核に

それをまもるやわらかな皮膚がやさしい。

強く、消え入りそうに細く、
長い長い光が見えて

どうしても見つめてしまった。



終演後、寺十さんたちとごはんをたべた。

そう、味で勝負!江戸っ子ラーメンみん亭。

お座敷であれやこれや話したほんの少しの時間が

これからの何年もを灯してくれたきもちがした。

あのとき、あの作品のなかで、確実にわたしは生まれ直したんだと
あらためておもった。

そして、これからもその光を頼りに生きていくんだなあとおもった。

かけがえのないものを、しずかに、たくさん、いただいて

こぼれないようにそうっと歩いた。

帰り道の外気は、体温にそっくりで

まちがえて自分のなかのなにかが溶け出してしまいそうだった。