いのちのかたち

自然物が、いちばんうまく、美しくデザインされているよなあ

と気づくとき

それはそうか、と思い出すのは
彫刻家の恩師のことばです。

あらゆるデザインというのは、そもそも、自然物からヒントを得て作られているのだと。

恩師は、「いのちをはこぶかたち」をつくっているといいます。

たとえばそれは、

木の芽のかたち

人の粘膜
まぶたや、くちびるも、そう

両の手でつつむように

そのかたちはできているのだと。

船はそこにヒントを得てつくられたかたち。

いのちをはこぶ、かたち。

かたちには、ことばがある。メッセージがある。

自然にちりばめられたかたちは

わたしがことばを得るよりもずっとずっとさきに

いのちの果たす役割をしっている。

からだで、かたちで、しっている。