少々

家でものすごく料理をして、うれしい。

おいしいなすとピーマンが手に入ったから、
夏にはこれ!と、ラタトゥイユ。

あーこりゃ、おいしいパンだわ、と
朝からパン屋に出かけてみれば

ちょうど食パンが焼きたてで
ほわほわの一斤を抱えてほくほく。



ラタトゥイユって、鍋を抱えて食べたいほどだいすき。

無限にたべそうになるから
きちんとおいしい盛り付けと

おいしいパンをお供に。

パンもあまくって、シンプルなのにすごく贅沢なきもち。

そんでもって、これまたいいジャガイモとアンチョビがうちにあったので

アンチョビポテトしか思い浮かばなくなったわたし。

揚げ物なんてしたのは、5年前くらいで

炒め物すらしないもんだから、フライパンもなかったのだけど

ジャガイモとアンチョビがあるから、フライパン買っちゃった。

不思議なものね、何年も買わなかった必需品を

ジャガイモとアンチョビがきっかけで買っちゃうんだから。

買ってみたら680円。

680円で、知らない未来が見れちゃったの。

揚げ物をするわたしが見れちゃったの。

我が家でアンチョビポテトが食べられちゃったの。

驚くほど、おいしいおやつだった。


お料理の日常と

680円が運ぶ、ほんの少しちがう世界。

ううん、ジャガイモとアンチョビが運ぶ未来。

いつも、ほんの少しだけちがうところに

まったく知らないなにかが埋まってるって
こういうとき、とってもおもう。

いつだって、ほんのすこしなんだよな。

遠いと思ってる場所だって

日常の地続きの、ほんの少しだけ、ちがうところにあるんだよ、きっと。