してん

パッと顔を上げると、4月が終わる。

なんなら息をするのも忘れてて、たまにハーハーしたりしてる。

昨日、外に出たら、風も陽もからだにあまりにここちよくて

ここ数ヶ月のいろんなことが、リセットされた気持ちがした。

いつから走ってるのか、どこが始まりだったか、なんてわからないけど

なんだか妙に、からだがかるかった。

ひとつひとつと戦いを終えて、一番削がれた状態になったからかもしれない。

とてもすがすがしくて、ああ、ここで一区切りなのか、とからだが教えてくれた。

4月だけでも、たくさんのことがあった。

大挑戦の朝劇広島だって、まだ4月のこと。

朝劇下北沢平日チームの、3ヶ月一区切りを走りきったのも、この間のこと。

平日チームは、曜日設定からはじまり、いろいろに挑戦を盛り込んでいて

だからこそ、もっと中身のある、温みのあるものを守ろうとみんなでつくってきた。

たくさんのお客様がみにきてくださって、またあたたまって。

きっと、わたしたちの挑戦を受け取ってくださったから、お客様も力強い応援をくださったのだと思った。

何かを生み出すときには、それなりの覚悟と責任が必要で

それを全部、なにかあったかいものでくるんで渡せたら、っていつも思う。

そんなわたしたちに呼応してくださったことは、ねらいでもなんでもなく、本当に予想もしないことだった。

でも、何かを生み出すって、そういうふうであったらとてもいいなって、すごくおもった。

うまくいえないけど。



それはたぶん、好きな人に好きって伝えることが、誰かの明日をつくるみたいなこと。

そういうとても、ちいさくて

だけど人と人の間に何かをふくらませてゆけるもの。

出会えたものを守るには、いつもみずみずしくあるには

心を真ん中において、
大きく手を広げて、
ぜんぶ抱きしめられるように、
ぐぐっと手を伸ばしてゆきたいなあ、とおもった。



心の位置が、なんだかよく見えるようになった、4月だった。

風がやわらかいおかげかな。

たくさんそよいで、ゆれて

ころがる真ん中をみつめて

季節をこえてゆきたい。