満ちと未知

人生初の、一人芝居を終えました。きのう。

脚本と演出も一人でしました。

とことんの一人でした。

家で本を書いて、家で芝居をして、家でそこに稽古をつけて

どこまでいっても一人でした。

本番の前日、大切な友だちに見てもらいました。

笑い声が聞こえました。

そのときはじめて、わたしの一人が作品になったと思いました。

家で一人でやっているうちは、まだ頭の中にごにょごにょと存在する構想の段階とさしてかわらなくて

人に触れてやっと、かたちになる。

曖昧だった輪郭がくっきりとする。

そんなこと、初めて知りました。

自分で見える自分は、どうしたって虚像でしかなくて。

奇しくも今回の作品『(夢で逢えたら)〜せい〜』もこれと似たようなテーマで

一人、の、満ちすぎて欠けている部分を知りました。

あ、だから、わたしのなかから出すことに意味があるんだなとか

誰かに見てもらうってこんなに大きなことなんだなとか

今更知って、ものすごくおもしろい発見でした。

一人芝居は、一人じゃできない!

たくさんのご来場、誠にありがとうございました。

写真は、今回の役のイメージで。