びょうどうびょう

こどものころ、わたしのベッドの枕元にはたくさんのぬいぐるみがいた。

いろんなひとからもらったり、いろんなときに買ったぬいぐるみ。

わたしはどれも同じに大切にしたくって、毎日順番に抱っこして寝てた。

それを規則正しくまもって、そうして、大切をまもってた。

だけど、このごろ

大切にしたくても大切にできないことや

ちゃんとしたくてもちゃんとできないこと

したくてもできないことってたくさんあるんだなあ、と、知る。

そんなの昔からわかってたと思うんだけど、知る。

おもいだす。


人間はぬいぐるみじゃないから。

そこにだまっていてくれないから。

大切にできるときにそこにいなかったり

そこにいてくれるときに大切にできなかったりするから。

順番にだきしめられるような大切なんてないからな。

そんなの比較しなくたってわかってるけど

わかっていても、むずかしい。

そういうこと、おもいます。

おんなじにやさしくありたいっていうのだって、ただの自己満足だからな。