もとおどり

大きな鏡の前でおどったのなんて、何年ぶりだったのかしら。

ぜんぜんうまくできなかったけど、おどってきた。

おどってる自分の顔みたら、ものすごく動的にいきいきしてて

ああ、こういう、いきいきって、なかなかなかったね、とおもった。

からだをうごかすよろこび!みたいなことって、シンプルだからダイレクトにくるものがあって

ああ、ほんとうにうれしかったなあ。

ピナ・バウシュという舞踏家の映画を見たとき

人はなぜおどらないのだろう

とおもった。

自分のからだひとつで、こんなにもいろんなことが叶うのになあって。

なんでわたし、おどらないんだろうって、おもった。

おどったわたしは、ほんとうにそういう、真ん中にかえったみたいな

いきいきしたかおだったな。

うれしくてもかなしくても、おどっていきられたらいいな、

っておもうこのごろ。