手に負えない
くによし組『粉瘤』
おかげさまで無事に開幕しました。
連日のご来場、ありがとうございます。
終演後のお客さんのお顔、お声がさまざまで、すごく嬉しい。
國吉さんが、こんな文章を、『粉瘤』に寄せて書いていらっしゃいました。
『誰が喜ぶのこれ』
わたしが喜ぶ。
『粉瘤』はわたしが喜んでいる演劇です。
あんたが喜んでどうすんだって話なんですけどね。
いつも、自分は演劇をやるとき、これがこの世にあると助かるなぁと思うものをやってるというか、そんな感じなんですが
『粉瘤』は、とにかくわたしが、喜ぶ。
何に喜んでいるのか、ちょっと考えてみているんですが、たぶん、「なんかすごいのがこの世に生まれちゃったこと」に喜んでいるんだと思います。
『粉瘤』は、ストレスを抱えるあまり耳に粉瘤が出来た脚本家が、粉瘤にストレスをぶつけながら、意味のある作品を作らねばと奮闘する話です。
わたしは脚本家の役をやっていますが、公演を重ねるごとに、その奮闘する身体を通して、くによしさんが書こうとしているものは、わたしの想像するような大きさのもんじゃあねぇなぁとわかってきました。
わからないんですけどね。
わからないんですけど、くによしさんがくるもうとしてるのは、そんな大きさのもんじゃないという気が日に日にいたします。
わたしはもう、なんとかかんとか、足りない分を熱気と陽炎で埋めてその大きさに届こうともがいています。
計り知れないもの、手に負えないものが生まれていることに、喜んでいます。
手に負えないって、嬉しい。
手に負えなさに出会った時、
本当はいつだって、作品も、人生も、他者も、自分の心身も、生命も、世の中も、いろんなことが、思っている以上に自分の手には負えないってことを思い出して、なぜかわたしは希望を失いながら、みなぎるものがあります。
雨続きの9月に、砂漠に紫の花が一面に咲いたことみたいに目にきれいじゃなくても、なぜかです。
それがなんなのか、わたしにはまだわかりません。
なにも侮らずにいられる可能性を見るからかもしれません。自分の傲慢さがぺしゃんとつぶされるからかもしれません。
『粉瘤』には、わたしの手に負えなさが、誰にも手に負えない何かが、生きるエネルギーとして勝手に満ち満ちています。
それがとても、とても、できるだけ多くの生きてる人たちに、届いて欲しいんだと思います。
だからなぜか、自分は出ているけれど、他人事のようです。
ハードボイルド生命讃歌です(ほんとかな。コメディという話もあるし、サイコスリラーという話もあります)。
11/1まで、ぜひお越しください。
⭐︎追記
國吉咲貴さん作『テツコ』が、せんだい短編戯曲賞の大賞を受賞されました!!!!!
『粉瘤』、どうかお見逃しなく。
くによし組
『粉瘤』
2026年10月21日(水)〜11月1日(日)
【作・演出】
國吉咲貴
【出演】
稲葉佳那子
タナカエミ
ながい
花戸祐介
福永マリカ
【会場】
アトリエ春風舎
副都心線・有楽町線 小竹向原駅より徒歩4分
【チケット】
一般3500円
前半割3000円
18歳以下2500円
応援チケット4000円〜
【あらすじ】
芽衣子の耳に、ある日粉瘤ができた。
粉瘤はだんだん大きくなり、やがて喋り出す。
生活の邪魔になる粉瘤だが、芽衣子は苛立つ度に粉瘤に怒りをぶつけることで、ストレス発散をしていく。
文句を言わない粉瘤に、芽衣子は酷いことをしたくなり…
【公演日程】
10/21(水)19:30前半割
10/22(木)19:30前半割
10/23(金)13:00前半割/19:30
10/24(土)13:00/19:30
10/25(日)13:00/19:30
10/26(月)19:30
10/27(火)休
10/28(水)13:00/19:30
10/29(木)19:30
10/30(金)13:00/19:30
10/31(土)13:00/19:30
11/1(日)13:00
https://kuniyoshigumi.jimdofree.com/%E6%AC%A1%E5%9B%9E%E5%85%AC%E6%BC%94-1/
⭐︎11月1日の千穐楽公演は、タナカエミさんに代わって、國吉咲貴さんが出演します。詳細はこちらをご覧ください。
https://x.com/kuniyoshiiiiiii/status/2113987937335742755?s=46
