幸よ
ミスタードーナッツに行ったら、私より先にショーケースの列を進んでいた高校生二人が
「ええ、選べない、幸せすぎる、終わってほしくない、このショーケースの列、列じゃなくて、円形にしてほしい」
と言っていました。
言いながら「ちょっともう一周しよう。すいませ〜ん」と言って、円形じゃないのに、私の後ろに回って、ショーケースの列をもう一周していました。
永遠に続けばいいなあ、永遠に続けばいいねえ、と思いました。
本当、円形だったらいいのにね、ドーナツ屋さんなんだから、ドーナツ型にしたらちょうどかわいいじゃんね。
くによし組『粉瘤』の稽古をしています。もうすぐ始まります。
くによしさんは、何かすごいのを作ったなあ、と思います。笑いすぎて稽古にならない時間を乗り越えて、みんなで頑張っています。すごい戯曲だと思います、本当に。あんまいうもんじゃないのかもしれませんが、そんなこと。
自分は、脚本を書くことがあります。子供の時に、ひょんな企画から脚本を書くことになって、それがきっかけで脚本家という肩書きが加わりました。
でも、全然ずっと、脚本家じゃないと思っています。自発的でもなかったしなあとか、ものすごく書きたいことがないと書けないし、書いたとて書けてるかわからないしなとか、色々。
「家」とつくほど根付いていないというか、稼働していなくて、ああ書かなきゃなあと思うこともあるし、私が書いてもなあと思うこともあるし、でもすごく人に与えてもらって書くことになったから続けなきゃなあと思いもします。
これもあんまいうもんじゃないことかもしれません、あんまいうもんじゃないことばかりをいっています。
くによしさんの戯曲を読むと、「ああ全然私は書かなくていいな」と思います。これはものすごく多方面に失礼かもしれないので、またあんまいうもんじゃないを更新しているかもしれないのですが
自分の書かない後ろめたさも書いてる後ろめたさも全部すーっと消えて、「ああ全然私は書かなくていいな」と思います。
(今せんだい短編戯曲賞の最終候補になっている『テツコ』もすごく面白いでのぜひ読んでみてください。ここで読めます
https://10box.jp/3279)
くによしさんの戯曲がとても好きです。木とか山とか川とか人の、肌に触れた時みたいな、生きてるものの感触があります。
そういう感触って、いいとか悪いとかいう話じゃなくて、あるううう!っていう感じというか、その、あるうううう!って感じに触れると、自分の、例えば醜さとか、臭いところとか汚いところとか、自分ができれば無視したいし蓋したいけどどうしようもなく生きてるとあるものたちが、すとんと抱きとめられる感じがします。
でもそれが露悪でないところがすごいんですよ。あるううううの中に、あるんです。
だからすごく、かわいいんです。
それがすごく好きです。それで満ち満ちすぎるので、満ち満ちの気持ちで、ああ全然書かなくてはいいな、と思って、すごく好きなものがこの世にあって嬉しいです。
そんなすごく好きなものの中に今はいられることが、すごく嬉しいです。
好きなものの役に立てたらいいな、立ちたいな、と思います。
『粉瘤』、本当に、おすすめします。
この生きてるものたちの生きてることが余すことなく届くように、一生懸命がんばります。
生きてる皆さんが来て下さると思うので、生きてるの悪くないなと思ってもらえたらいいなと思います。
ぜひお越しください。
くによし組『粉瘤』
10月21日(水)〜11月1日(日)
アトリエ春風舎
作・演出 國吉咲貴
出演
稲葉佳那子
タナカエミ
ながい
花戸祐介
福永マリカ
チケット
一般 3500円
前半割 3000円(初日完売)
18歳以下 2500円
応援チケット 4000円〜
ご予約と詳細はこちら
https://kuniyoshigumi.corich.co/hunnryu/yoyaku
くによしのマシンガントークラジオで、キャスト紹介をしてくださっています
