めぐりたさ
ベランダの大葉の育ちがすごくて、大葉富豪になった気分。
以前に育てていた時はここまで生育がよくなかったので、いつもすみません拝借しますという気持ちでちょんぎって使っていたのだけど
今回は、毎日「もう食べてもらわないと困るよ」みたいな大きさの、これは大葉だなあという大きさの葉っぱがめきめきあらわれるので、「仕方ないですねぇ」と言いながらちょんぎれて、いい。
昔、ビデオデッキがあった時代、ビデオデッキクリーナーというものがあった。
それは、ふわふわしたお掃除モップみたいに外部のほこりをとるものでなく、ビデオテープの形をしており、それをビデオデッキに入れて再生することで内部をクリーニングするというものだった。
ビデオデッキクリーナーが再生されている時、テレビ画面では、テレビ画面を外的にお掃除するように雑巾が左右に行ったり来たりする映像が流れていた。
時々、頭の中が混沌とした時、あの映像を思い出す。
実際、あのビデオデッキクリーナーが機械の内部で何をしていたかどうかは今だにわからないのだけれど、あの映像を思い出しながら、きっと今自分の内部ではそのようなことが行われていて、まとまりきらないチリや埃が左右に移動する雑巾でまとめて拭われているのだと想像する。
カラカラに乾いた植物の土に水をやる時も、少し似たような心地になる。
土の内側がすっかり入れ替わるような感じがして、それを見ている自分が、ビデオデッキクリーナーをかけられている時のような(そんな時はいまだかつてなかったのだけど)心地になる。
1日に一度、大葉はハリをなくしてしょぼんとする。
だけど、たっぷりの水をやると、天に向かって葉を広げる。
そういうのを見ると、とてもいい気持ちになる。
そして、もう堪えきれませんよというくらいに大きくなった葉っぱを見て、「仕方ないですねぇ」と言いながらそれをいただくと、別に仕方なくはないのだけど、仕方ない気がして、堂々としかしありがたくそれをいただく。
めぐる何かの中に入れると、ほっとする。
大縄跳びに入るのがとても苦手だったせいかもしれない。
