さばをよむ
5月10日(日)に出演します、優しい劇団の大恋愛vol.11『もっと愛してくれよ節』
完売していたチケットですが、4月22日(水)22:00から再販が決定しました!
名古屋の「優しい劇団」が5/8(金)〜5/10(日)の3日間、東京・武蔵野でおこなう演劇のお祭り『優しい劇団の武蔵野演劇祭』。
毎日違う作品を上演するというなんともクレイジーな企画の、3日目に私は参加します。
「優しい劇団の大恋愛」は、なんと、顔合わせから稽古そして本番までその日一日でやってしまう、一日限りの演劇。
名古屋を拠点に、普段はそれぞれ別の仕事をしながら演劇をしている優しい劇団が、演劇を続けるため、色んな土地の人と出会い演劇をするために発明した演劇のスタイルです。
戯曲は毎回書き下ろし、本番の2週間前までには届きます。
出演者はみんなそれぞれに準備して、当日はじめて大集合、朝から稽古、上演し、その日の夜にはもう二度と観られない演劇になっています。わお。
つまり、なんにも準備していかなくても本番の日はやってくるわけで、そんなはずはないだろうと信頼してくれている優しい劇団のみんながいるからできている企画なんですね。
「なんにも準備していかないで当日を迎えるということも、全てわたし次第であり得るんだよな?」という事実に気付き、驚き、恐れ慄き、なんにも準備せずに乗り込むわたしに対する恐れに背中を押され準備をしています。
「大恋愛」には、昨年6月の初参加に続き、今回が2度目の参加です。
稽古しないで本番を迎えるってどんな感じ?と、ちょっと気になるかもしれない人もいるかもしれませんから、今回のやり方をメモしてみます。
今回、とっても早くに戯曲を完成させて送ってくださって、本番3週間前の4/19(日)までは、のんびり繰り返して戯曲を読んでいました。純粋な読書です。
自分の役はこれだ!とか、覚えるぞ!と思うと、読み方が偏ったり、内容が頭を滑っていく感じがしたりします。
普段の演劇だとなかなかこの、純粋な読書をする時間をとるのが難しいことがあります。覚えて早く動けるようにしたほうが色々と便利だし、ただでさえ不安な自分を「何にもできないかもしれないけど、とりあえず覚えては来たぞ!」と鼓舞できるからです。肝が小せえんです。
純粋な読書をする時間があるのは、なかなかいいです。こんな作品なんだな〜とぼんやり眺められて。お客さんがみたとき、こんなことを思うかなぁとか、こんなことを思えたらいいかなぁと考える時間があります。
読んでる時は、まだお客さんです。お客さんとして過ごせる時間があるのは、なんだか大切な気がします。
本番3週間前を切った今週からは、覚えてみることにしました。
ブロック分けをして、4日間で50ページ、1日13ページを覚える算段です。
一人で取り組もうとすると漠然として、何から手をつけたらいいやら…とパニックになるんですが、人と集まって稽古をする時は、ブロック分けして進んでいくなぁと思い、同じ方法にしてみました。
今日はここまでやればいいんだと思うと、案外簡単になりました。具体的になると落ち着きます。
今私は、調理の仕事をしているので、仕事に向かう移動中に台本を読んだり、夜寝る前にぶつぶつ喋って覚えています。
ちなみに、前回参加した「大恋愛」の時は、もう少し舞台上にいない時間があって、自分のパートを集中して覚えるとけっこう大丈夫な感じがありました。
今回は、割とずっとみんな、舞台上にいます。ずっと喋っているわけではないけど、ちょくちょく全員喋ります。ですから、全体を網羅しておく必要が強くなりました。
もちろん前者の方が大変さは少なめですが、多分後者の方が、かっこいいです。
せっかく会えたその日一日限り、全員がその場所を共有して、全員でその場を立ち上げた方が、かっこいいと思います。
かっこいいのは、大事です。楽しみに見に来てくださるんですから。そこでできる精一杯のかっこいいのがいいです。
そんなわけで、今は半分まで覚えたところ。今週中に覚え切って、2週間前の来週からは劇中に流れるたくさんの音楽を聴きながら流れを掴もうと思います。
ちなみに、作・演出の尾﨑くんが一人で全編読み上げてくれた音声データがあって(とっても親切)、これさえ聴けばいつでもどこでも練習できます。きっと来週からは、このデータも電車の中などで聴き続けることになります。
そしてやっぱり、動きながら実際の音量で喋ってみたりもし始めます。
動いて喋ってみないと、ここは息切れしちゃいそうとか、この服と靴だとこの動きはできないとか、そういうことはわからないですから、やっぱり事前に試してみる必要がありますね。体力もすごく必要です。
ですからやっぱり、稽古というのは大切なんですね。そりゃあそうなんですね。
私は近年、2ヶ月間その作品の稽古・本番のみに集中して生活するスタイルの演劇を年2本くらいと、調理の仕事と並行しながら作るスタイルの演劇を年4本くらいやる生活をしています。
自分の心身や生活が一番豊かなバランスを探り続けているところです。
どちらのスタイルの演劇も、それぞれの良さがあります。「優しい劇団の大恋愛」は、そのどちらともちょっと違いますね。
当日のその日だけスケジュールが合えばできる演劇というのは、やっぱり色んなことを可能にしてくれると思います。
あらゆるスケジュール、状況、土地で暮らしている人たちが、それぞれの地でそれぞれの生活のなかでできるやり方で準備をすれば、普段なら一緒に作品を作り得ないメンバーで作品を作って上演できる。
普段ならいろんな事情で演劇をやることそのものが難しい人も、演劇に参加できるかもしれません。
それが観に来てくれる人にとってなんなのかというと、まだ説明が難しいのですが…私はなんとなくいつも、生活している人に向けて生活をしながら演劇を作りたいと思っています。
この世の人はみんな生活をしているんだからそりゃそうで、どんなスタイルの演劇をやるときもそうなんですけれど。
でもなんというんでしょうか、演劇以外の時間に重心を置き、だけど心は少し先の本番の日を目指し、日々を過ごしてきたその身体で演劇をやることで、観に来てくださるかたとも、それぞれの大切な「生きてること」を、労ったり讃えあえたらいいなと思っているんだと思います。
うん、やっぱりどんなスタイルの時もそうなんですけどね。
いろんな作り方のなかで、それぞれにしか辿れないルートがあるんですけどね。つまりどれもいいんですけどね。
でも、わたしはこの、優しい劇団の大恋愛という発明を、とってもいいな、続くといいなと思っています。
驚くほど長くなりました。あくまでも今回の、わたしのお話。直前まで別の公演をやってから当日を迎える場合もあると思います。みんなそれぞれ全然違う思いだと思います。それぞれの感じでその日に向かっていて、全然違う感じの人たちが集まって演劇を作るってところが、またいいなと思います。
そんなわけで、チケット再販です。
ここまで長く喋ったら、より一層かっこよくなければなりません。自分のくびをしめました。毎日コツコツ頑張ります。
楽しみにしていてください。
その日まで、それぞれの日々を〜。
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喋りすぎてかっこわるくて恥ずかしいので、写真は今晩の鯖カレーでごまかしています。
