生きてるもの
公演を終え、料理の仕事をする日々が戻る。楽しい。
切るのとか、焼くのとか、盛り付けるのとか、手を動かして、きれいだなあとか、いいなあとか、美味しそうだなあと思うものを目で見える形に作れるのは、やっぱりすごく楽しい。
いいなあと思うものを目に見える形にするのは、演劇やっている時とちょっと同じ。
生きた(生きてた)食材の輝きや色や形を見たり触ることは、演劇には多分基本的にはなくて、自分はそういう部分を料理の仕事からチャージしているように思う(あと、1日にたくさん「作る」をできるのがいい)。
何度見ても嘘みたいにきれいだし、毎日新しく知ることがある。
それが直接に何の役に立っているかはわからないのだけど、いつもそれが入ってくるたびに、自分の中でごくごくと音が聞こえるような感じがする。
役に立つからやっているんでも、どっちがどっちのためってこともないのだけど、どっちもどっちにもいい感じで、演劇と料理を行ったり来たりする日々を気に入っている。
昨日は白和えを職場で作って、人参と、小松菜と、しめじと、こんにゃくと、椎茸と、白和えしたら秋の山みたいですごくきれいで、わぁ…と言いながら和えた。
あんまりきれいで嬉しくなって、家に帰ってからも何か作りたい気持ちが止まらずに、沖縄に行った時に買ったサータアンダギーミックスを使ってサータアンダギーを作った。
作ったんだけど、私、揚げ物が下手くそすぎて、見るも無残な油のかたまりみたいなものがたくさんできた。
外は丸焦げ、中はぬちゃぬちゃ、新食感。
そういうバランスで生きています。
さて、11月は、名古屋へ行きます。
名古屋を拠点に活動する優しい劇団の、名古屋公演にお邪魔します。
11月1日から東京公演は始まっていて、毎週末、高円寺で上演されます。
優しい劇団のメンバーは、関東、東海、近畿にそれぞれ暮らしていて、ほとんどのみんなは、平日、どこかの企業で正社員として働いていらっしゃいます。
詳しくはこちら
だからだからの、週末だけ、東京へ集まっての公演です。
そんなある種の障壁とも呼ばれそうなものを、何かと何かの、誰かと誰かの豊かな「つなぎ目」のようにしてしまうところが、優しい劇団のかっこいいところの一つだと思います。
先日初日を見てきたのですが、演劇を詰め込んだみたいな、あらゆる時間を詰め込んだ、宇宙みたいな身一つの人が、六つ集まってぶつかりあって照らし合っていました。
音響も照明も全部俳優がやる、本当に身一つたちの公演なのです。
話したいことはたくさんあるのですが、一言で言って、とてもとてもかっこいい身一つの人たちでした。
わたしもかっこいい身一つでありたいと、とても思いました。
だから今日もサータアンダギーを焦がしたりしながら、名古屋公演にむけて関係あることないこと身体に詰めて、せっせと生きております。
今週末も来週末も、高円寺にてやっています。
是非とも足をお運びください。
私は11月23日に名古屋にて参加します。
とっても怖くて、怖くて楽しみです。
お近くの方もそうでない方も、3連休のレジャーがてら是非。
