ごはんの運動
新米の季節に読みきろうと、初夏に古本屋で買ったごはんのアンソロジー『つやつや、ごはん』を、わしわし読んでいる。
飯。白米の話だ。
ごはんと一口にいっても、みんなまったく違う切り口で、とてもとても面白い。
ごはんのことを書けと言われたのでなく、ごはんのことが書かれている文章を集めているというのもまた良さなのだと思う。
やっぱり米だよね、と言わんばかり。
どれを読んでも、その人の思うおいしさが私の中にも広がる。
わたしも、ごはんがとても好き。年々好きになる気がする。
ごはんの味わいはもちろんなのだけど、なによりも、ごはんを食べるという運動が好きなのではないかと思う。
まず茶碗の中のごはんを箸にのせるときの、あの感覚。
ごはんってのは、掴むのでなく、箸と箸の間にふんわりと空間を開け、その上にほんわりとすくいあげる。
この、漠たる感じが、ごはんの湯気までもすくいあげるようで、ごはんを食べる時間の漠たるよろこびまでもすくいあげるようで、たまらなく好きだ。
そしてそれを、口の中に運ぶ。
ほわほわとしたごはんの湯気が口に広がるから、その湯気の分、口の中にも空間をつくる。
食べるというよりも、空気をはらむという感覚の方が近い。
その時、ものすごく、「ああ今わたしはごはんを食べている!」という心地になる。
ごはんを食べているからそりゃあそうなのだけど、「ごはんを食べる」というのは、米粒だけを食べているわけではない感じがするのだ。
と同時に、米粒をたくさん頬張るのもまた、なにかとても、はりがあるかんじがする。
もちろんそこでおかずを食べたりなんかして、そのあとにごはんを食べるのも最高。
この間、焼肉を食べに行ったときのそれなんてもう、たまらなく楽しかった。
わたしはこの運動が楽しくて、嬉しくて、生きている心地がして、ごはんを食べているのかもしれない。
妙ちきりんな味わいかただけど、きっと言われてみればそうだという人はいると思う。
昨夜はどうしてもかつおが食べたくてスーパーに行ったのだが、大きなひとさくしか売っていなかった。
一人でどうするんだと思いながらも、どうしたって食べたかったので、半分はスライスしたたまねぎとポン酢ともしゃもしゃ食べて、今朝はもう半分でかつお丼をやった。
こういう、魚の丼のときの、ごはんを食べる運動もとても良い。
一切れの輪郭とおなじ大きさにごはんをすくいとり、一緒に一口に食べる。
あの大きな一口が、これまた、生きてる!という溌剌とした美味しさになる。
さて、かつおもおいしいけど、さんまもおいしい季節。
一年前から作っては上演して完成を目指していたちぎり絵紙芝居『ばけねことさんま』がついに完結します(させます、これから)。
11/23です。ぜひお越しくださいませ。
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『紙芝ゐ11月号その①その②』
今回も"御予約優先制"となります。
☆『紙芝ゐ 11月号』
その①『ばけねことさんま』ついに完結!全編上演!
2024年11月23日(土)
14時から
※上演時間は30分程度の予定です。
☆出演
福永マリカ
その②
飯野雅彦/ニシオカ・ト・ニール2名による6作品(新作を含む)を上演!
2024年11月24日(日)
①14時30分から
②17時30分から
※上演時間は両方の回とも30分前後です。
☆出演
飯野雅彦
ニシオカ・ト・ニール
【場所】
『ゐ』 世田谷区若林3-9-8
【行き方】
※世田谷線「松陰神社前駅」徒歩5分
※バス「若林三丁目」徒歩1分(渋谷から25分前後、3路線(渋22.23.24系統)あります。)
※田園都市線「三軒茶屋駅」地上より 徒歩15分
☆今回の公演はご予約優先制とさせて頂いております。
御来店御希望の場合は事前に予約をお願い申し上げます。
基本的には相席になりますことを御了承下さい。
◇ご予約先→setagayakuwakabayashi398.i@gmail.com
こちらのメールアドレスに
まず件名に紙芝ゐ11月号その①またはその②(その②の場合は14:30〜か17:30〜のどちらか)を明記の上、文面に御名前、人数(大人 ○名・子ども○名)をお知らせ下さい。受付完了の際にはメールを返信させて頂きます返信完了を以てご予約とさせていただきます。尚、お問い合わせもこちらのアドレスをご利用下さい。
定員になり次第締め切らさせて頂きます。各回全席受付終了後にメールを頂いた場合には申し訳ありませんがメールにてのお伝えになります。御了承下さい。
【お願い】
◉チケット代や座席料金はございません。通常営業のカフェでの上演スタイルとなりますので最低1ドリンクのオーダーをお願いいたします。
◉告知している上演開始時間はあくまで目安でお店の状況によっては多少異なる場合があります。