仕込み

10月 25, 2023

仕込み

TAAC『狂人なおもて往生をとぐ』
劇場入りの今日は、スタッフチームが仕込みをしてくださっている。

お休みをいただいた俳優チームの私は、感謝と応援をしながら家でポトフを仕込むことに専念。

ポトフよこれからの日々を救えよ。

そんなわけで、昨日で稽古場での稽古はすべて終わり。

そうか、稽古って終わるんだった、と思ってしまって、なんだかずっと稽古していくものだと錯覚してたみたい。

本番に向けて稽古してるんだから、そんなわけないんだけど。

ずっと、この戯曲って一体なんなんだろう？と探索し続けるものだと思っていたから、多分そんな気になっていたんだと思う。

本当、変な、大変な、大変に面白い戯曲。

無数の言葉で、大胆な(しかも多分精密な)骨子だけがドーンと組まれていて、

その中で何をするかは決まっているようで委ねられているような、試されているような

何をしても、何をしなくても、全部見透かされてしまいそうな恐ろしさがある。

でも、何をしても、何をしなくても結局全部見透かされるのなら、とにかく丸腰で臨むしかない、みたいな感じがしているのが、今。

頭のなかで裸ん坊のさくらももこタッチのキャラクターが、あはははは、あはははは、と両手を広げて笑っている。

とはいえ、裸ん坊のまわりには、心強い人やことで溢れており

もしかするとそれぞれに話を聞いてみたらみんな裸ん坊かもしれないけど、それはそれでなお心強い。

あはははは、あはははは、の仲間が頭の中にいっぱい。

ああ、観てほしい要因があんまりにいろいろあって、どんな側面から伝えれば良いか迷うあまり、こんな辺鄙なところに来てしまいました。

この作品を作ろうと集った人みんなの、それぞれの力を持ち寄って、一人じゃ想像のつかないものをきっと、劇場に立ち上げます。

これを読んでくださっている方も、日々生きているそのままの眼差しを連れて、ぜひ劇場へ足を運んで見てくださるととても嬉しいです。

その眼差しと、何が、どんな風に交差できるのか、裸ん坊のくせに楽しみにしています。