身体の中に波がある

海に行った。

海の中は海の中にしかない気持ちよさがあり
この気持ちよさから、日々こんなにも遠のいていることの不思議や不自然を感じた。 

腕の先からすぽん、頭の先からすぽん、足の先からすぽん、と、筒状に何か一本ずつ抜けていったみたいなすっきりとした心地。

ただ海に入るだけのことなのにね。

遊び疲れて眠りに落ちるとき、その入り口の、眠りとの間で

海に揺蕩う身体の感触が蘇って、身体の中に波があった。

寄せて返すあのリズムを、眠りとの狭間で
たゆんたゆんと打っていた。