手仕事納め、そして始め

 

新しい年が始まりましたね。

喫茶店で漏れ聞いた情報によりますと、きょうが仕事始めの方が多いのでしょうか。

市場もきょうから始まったそうですね。

年末年始とわず働かれていた方もいらっしゃったことでしょう。

おつかれさまです。

静けさが明けて、またぐわぐわと、営みがはじまるんですね。




二〇二三おせち 

【一の重】 
栗きんとん 
紅白なます 
黒豆 
伊達巻 
田作り 
たたきごぼう 
うさぎかまぼこ 


【二の重】 
もちぎんなん 
高野豆腐の含め煮 
金時にんじんの含め煮 
れんこんの煮しめ 
しいたけのうま煮 
くわいの含め煮 
きぬさやの含め煮 
手綱こんにゃく 
海老芋の含め煮 
ごぼうの煮しめ 

お雑煮 



昨年のお正月から、次のお正月はお重箱とともにするぞと願っていたのですが 

めでたくボロ市でいいお重と出会い、ついでにお椀なんかも買っちゃって、いいおせち料理の装いとなりました。 

一年に一度しか食卓に上らないものを買うのは、少し勇気のいることですが 

きっとだからこそ、このお重や器と過ごす年輪を実感できることもあるかもしれません。 

一年に一度しか作らないおせちも、作り始めて思い出す、忘れていたあれやこれやがあります。 

そうだそうだ、いつも干し椎茸を戻し忘れるんだったとか 

そうだそうだ、いつも二番だしばかり要求されて一番だしはどうしたらいいのよってこととか 
(今年は一番だしももりもりつかった。だってそのほうがおいしいはずだから) 

二口コンロがあるのは恵まれたことだけれど、それでも二口しかないから同時に進行できることは限られていて 
作る手順に難しいことなんてほとんどないけど、とにかく待つことしかできない時間がたくさんたくさんあることとか 

その時間に焦ったりいらだっちゃう自分本位をひたすら再確認することだとか 

とにもかくにも、去年もやったじゃないのあなたってことの福袋状態でした。 

こういう記録を読み返してやればいいことなのかもしれませんが、茶道的に言えばおそらく、そういう書き残しをみずに体当たりしてみることに意味があるのでしょう。

そういうわけできっと、来年もおなじことをやるのでしょうけれど、一ミリずつでも進歩があるよう精進すべし。 

今年の進歩は、「かまぼこはクリスマスを過ぎるとものすごく高くなるから早く買っておくべし」を覚えていたことだったのですが 

クリスマス前に買おうとスーパーへ臨むと、あれは賞味期限が年内のものなんですね。 

つまりはクリスマス過ぎて高値にならないと買えないわけで、そしてその時期に出てくるかまぼこは、日常用とちがうハレのもので、ふく入りだとか、大きさがひと回り大きいだとかいうちゃんとした違いもあるんですね。 

学びました。 
クリスマスを終えてから、お正月。 

おせちそのものは、昨年より品数も増えたし、きれいにできたような、おいしくできたようなそんなきもしますが 

それも一年越しのことなのでくらべようもありません。 

きがするだけで、いいきぶんの年明けにしたいなあと思います。 

はかりようのないことは、そんなもんでいいことにしましょう。気分気分。 


最近、お料理屋さんに行ってご飯を食べて、簡素でも真面目に作られていることを感じると「あーえらいなあ」と漏れてしまいます。 

でも昨日は、チーズトーストという名のメニューを頼むと、チーズトーストの隣にもりもりに森のようにクレソンが盛り立てられており、「はーかっこいいな!」と思ってしまいました。 

そして別にそう真面目じゃなくても、はー今日もバイトかったるいなーと思いながらもとりあえず作ってくれた牛丼だとしても、
お腹を空かせてなだれ込んだカウンターですすったら心底美味しくて「あー本当にありがとうございます」と思うにちがいありません。 

今年はきっとそんな一年になるといいなと思います。 

それってどんな一年かな。 

夢占い的な、抽象的なままで、未来をたゆたわせておくことにします。



お正月恒例、めでたく齢もひとつ増しました。


黒豆パン、 
わたしと同じ誕生日の、しかし2023年生まれの赤ちゃんパンです。 

恒例ですので来年も変わらず増すのだと思いますが、それだって思うより簡単でないことですから、せっせと健康を玉のように可愛がり磨いてまいります。 

営みの中で、内なる静けさを保ちつつ。

どうかみなみなさまも、機会さえみつけては、日々のあらゆる節をめでたく愛でて、寿いで、ささやかなる美味しいものを食べて 

そのときどきのもちうる幸せでお過ごしくださいね。 

わたしも、そうします。 

本年もどうぞ、よろしくお願い申し上げます。