金曜日




よく晴れて陽が明るかったから、電車の窓の土埃が目立っていた。

窓の外の景色が、古い写真みたいになって、思いがけず安心した。

星野源さんが、ラジオで、きれいな音と、いいと思う音楽の話をしてた。

わたしの家にはテレビがないから、たまに見るハイビジョンが、いつも嘘みたいでびっくりする。

あわいがあるはずなのに、あわいがないかのようにクリアだと、びっくりしてしまうのかもしれない。

あえて濁す必要もないけれど、濁っているものを無理にすませることもないのかもしれない。


料理をしていると、敢えて、すませる、というのをやることがある。

でもそのときには、とっても静かで、地味で、地道で、ただそれだけに向かう時間がある。