しみる



夏の冷やしおでん。

冷たい出汁の染みた冬瓜が美味。

八月に入り、パルコ・プロデュース『桜雅』の稽古が始まりました。

作品についてはまた追ってお話ししますが、
稽古頑張ってね、とか
チケット買ったよ、とか
家族やお世話になっている人たちが連絡をくれるのが、なんだか心底嬉しいです。

いつも以上に染み渡ります。

神奈川生まれ神奈川育ちの私には、距離のある郷里もないけれど、

帰る場所のあたたかさを感じるとは、こんな感じかしら、と思っています。

それだけ遠いところに来たような気がしているのかもしれません。

明治後期から昭和初期の吉原の街並みと人々と香りに潜り込んで、はたと自分の日常を振り返る距離のことなのかもしれません。

そこにいる花魁たちにとって、故郷からの応援は心強いものではないかもしれないし、故郷に思いを馳せるのは安堵に浸る時間ではないと思うけれど

今の私は、そんなふうです。

でも、稽古場にも、心強い方が大勢いらして、優しく声をかけてくださったり、真摯に教えてくださっています。

30歳というよわいが、まだまだ未熟な年齢だとは百も承知のこと、

それでも、この頃偶然見る映画では、30歳の苦悩ばかりが描かれていて

なんとなく、そのよわいは、そこまでに「自立」や「確立」をえなければ、だまって見放されていくというタイミングなんですね。


自分が何かをあきらめるのはもちろん虚しいけど、
人から自分をあきらめられることほど虚しいことはないなと思います。

どうあれ人生はつづくわけで。

それを見るたび、なんとも言えない無力感に苛まれていたわけですが

こうして今、稽古場で、なんにも見放さず、しっかり見つめて言葉をくれる心強さを享受し

これまたとんでもない安堵感を抱いております。

郷里の先も、また郷里になる予感です。

でも、自分もどこかの側面で、だれかの心強い人になれたらいいなぁと思います。



わたくしごとでございました。

作品のことは、またあらためて。

そうそう、チラシが出来上がったのをこちらでお見せしておりませんでしたので是非ご覧くださいませ。

これもまた、故郷にあてるつもりで、ここに貼りますね。ちらり。







パルコ・プロデュース2022
『桜雅』
脚本 秋之桜子
演出 寺十吾

2022年
9月5日(月)〜25日(日) 東京PARCO劇場
10月1日(土)・2日(日) 大阪 COOL  JAPAN HALL OSAKA WWホール
10月5日(水)愛知 名古屋文理大学 文化フォーラム(稲沢市民会館)
10月8日(土) 長野 サントミューゼ(上田市交流文化芸術センター)大ホール

チケット
料金 11,000円(全席指定・税込)
U-25チケット 5,500円
発売中
パルコステージ
イープラス
チケットぴあ
ローソンチケット

よろしくお願い致します。