
五月。
台所のいい仕事をしたので、四月はやりきった。
筍と、ふきの、なんと染み渡ること。
体内の混濁が、すっと澄んでいく感じがする不思議。
五月の目標は、
白味噌の柏餅を食べること。
はるかぶのポトフをつくること。
『土を喰う日々ーわが精進十二ヶ月ー』
水上勉著
食べるひとでなく、つくるひとの精進のことが書かれている。
一見貧弱な食材を前にしても、一見豊満な食材を前にしても、落胆や諦めも、興奮もせず、おなじに丁寧に接すること。
それはあらゆる事物にたいするときと同じであること。
きっと、どんな時の自分自身にも、どこか沈着にそのように接することができたらいいのだとも思う。