正直なうつわ

自分へのご褒美と、30歳の記念にお茶碗を買った。

大切な食器は大切にお出迎えしたい。 

ご飯茶碗は、日々のことだから、多少奮発したってかまわないと思っていた。

一年ほど機会を待って、ようやく時が来た。

気に入ったお茶碗のなかに装われたご飯は格別だな。

漆のような赤が好き。



とにもかくにも今を一生懸命過ごしていたら、春はしっかりすっかり訪れ、今日なんか夏の香りですこしまいります。

季節の変わり目の新しくなつかしい香りは、

それまで生きてきた何年ぶんの、それぞれのその季節が一挙に開封されるのだから、そりゃあまいるわ

と、30年目にして気がつきました。 

つまりますます、年々、まいるのでしょうか。はて。

30年を消化できるまで、ゆっくりお米を噛み締めます。

お話ししたいことは、また今度。