明日のハナコ
こんばんは。
私にしては、ずいぶんと久しぶりになってしまいました。
腰を据えて文字を打つことができずにいました。
本当はとっても腰を据えて書くことがあるのに。いけませんね。
まずは、久々の場所を温めるために、先日の雪と停電予報の日のグラタンをどうぞ。
『明日のハナコ』
演出 光瀬指絵(ニッポンの河川|スイッチ総研)+ゆかいな仲間たち
2022年4月8日(金)〜10日(日)
梅ヶ丘BOX
私がこのことを知った時、まず率直に思ったのは、30歳の今の自分だって「おかしいよ!」と思うけれど
高校生なら、もっともっともっとその悲しさや虚しさは大きいんじゃないか?ということでした。
表現の自由に年齢は関係のないことだけれど、
自分の人生を振り返って、初めに大きく希望を失ったのは、
子供と言われる年齢だったとき、大きく違和感を感じたり憤りを感じたことを勇気を出して大人に伝えてみたら、それをなかったことにされた時、でした。
自分にとってこんなにも問題であることが、その人にとっては、大人にとっては、世の中にとっては、世界にとっては問題じゃないんだ、と。
臭いものに蓋をして過ごしているのかと思っていたら、臭くもなかったんだ、と思った時が、一番苦しかった。
『明日のハナコ』のことを知った時、つい、そのことを思い出して、勝手に、高校生の想いを想像してしまいました。
これはあくまで私の勝手な記憶との結びつきで、本当に勝手なことなのですが
自分にとって、参加しようと思ったきっかけの大きな一つです。
『明日のハナコ』の作中で高校生2人が投げかけてくれる素朴な疑問や憤りは、やっぱりぜんぜん問題じゃなくないし、大人が臭いものに蓋をするほど、次の世代、次の世代にのしかかる負担は大きくなる問題でした。
そのことに気がついて悩むのを、若く率直で繊細な感受性に任せてはいけないとも思いました。
ましてやそれをなかったことにしてはいけないとも思いました。
自分の問題なのに。
思考や、言葉にすることをサボっちゃいけないなと、この頃今まで以上に思います。
腰を据えて書けないからとこれを書くのが遅くなってしまったのも情けないです。
日々、このことについて考えながら、思考は行ったり来たりして、まとまらないこともたくさんあります。
でも、「『明日のハナコ』はたくさんの人に観てもらうべき演劇だし、福井農林高校演劇部の皆さんは何も間違っていない」と思うことは変わらなくあって
とにかくそのことだけは、ちゃんと言葉にして伝えないといけないなと思っています。
それと同時に、まとまらないこと、正しさがわからないこと、正しさを決めるなんてできないことについて、考えたり「どうしたらいいんだろう」を共有することもいつもしたいと思っています。
『明日のハナコ』の高校生2人は、すごく正直で、真面目で、目の前にあることもその先にあることもちゃんと自分の問題として捉えていて
だから単純な正しさを決められずにいました。
答えの出ないことが答えの出ないままにあって、とても誠実な演劇だと感じました。
どうにもたぶん世界は単純じゃなくて、打ちひしがれるのですが
そのことをまるまま演劇は表現していいと言ってくれて、たぶん私は演劇のそこが結構好きです。
『明日のハナコ』にはそういう広やかさがあって、切実さがあります。
その広やかさと切実さが、本来届くはずだった多くの人たちに届くように
そして、ここに起こっていることをいろんな人と一緒に話してみることができるように
自分のできることを、助け合ってやっていきたいと思っています。
ぜひ、観にいらしてみてください。
素朴に、一緒に考えられたら嬉しいです。
間違ってたら、間違ってた、ごめんなさいと言える大人でありたいです。
また、書きます。
ご予約も受け付け中です。
こちらから宜しくお願い致します。