ほころびのロールキャベツ
きつねロールキャベツ。
はい、相変わらずの土井善晴先生。
一晩おいて、フォークもナイフもいらないロールキャベツ。
つまようじを使わなくたって、
手でむすんで、鍋の中でおしくらまんじゅうしていれば
しっかりかたちになるんだなあ。
きどらない、いろいろほどけるお料理。
もう、早咲きの桜がほころんでいるのを不意に見かけて
春が来たって何かが変わるわけではなかったと知りながらも
春が訪れていることに、希望を素直に感じました。
ささやかで確かな希望と、
漠然とした(でもそれはそれできっと確かな)不安みたいなものは
いつも同時にあって
どちらかをずっと見ていればいいというわけでもなく
どちらもあるのだということをわかっていたい。
ほころびがでることにも
整合性をそこなう面もあれば
かたくとじていたものがやわらぐ面もありますね。
いらぬところで、しかし季節にせまられとってしまった整合性を
ほころばせていきたいこの頃。
冬から春は
ほころびの時でしょうか。