生きてるスイッチ


ZOU-NO-HANA FUTURESCAPE PROJECT2020
『象の鼻スイッチ2020』
昨日無事に終演しました!

お越しいただいたかたへ、ありがとうございました。

雨降り土曜日と、晴れた日曜日
どちらもその日にしかない面白さがありました。

思えば、人前で演劇のようなものをやるのは3月の鵺的『バロック』以来
半年ぶりでした。

さほどそのことへの意識はなかったのですが
やはり、目の前に誰かがいて、応えてもらえるということは
身体に反応する嬉しさがあるものだと実感しました。

よくわからないけれど、目の前にいる人が笑っているから笑っちゃうとか
そんなささいなことがとても嬉しくて
それだけでいいよなあ、いいのになあ、と思いました。


わたしはいつもなんとなく、演劇をやる時など
「みなさん」というよりは、「来てくれたひとりひとり」という感覚です。

今回スイッチをやっていて、
たったの3秒から30秒の間だけれど、「スイッチ」を押してくれたその人と全力で一瞬を共有できるんだな!と改めて気づきました。

そんなところも、「スイッチ」が好きな理由の一つなんだと思います。



今回、初めて、出演だけでなく作る過程から関わる[契約所員]として参加させてもらいました。

途中からだったのですが、「スイッチ」がどのように作られているのか見たり経験することができて
あの一瞬を生み出すまでに、途方もないほどの時間と、エネルギー、煩雑な作業を経ているのだということを知りました。

しかしそれが不思議なことに、日々体力的にはもちろん消耗するのですが
心の周りのふわふわとしたやわらかいものは日に日に重なり増していき
心はどんどんと元気になっていました。

所長の光瀬指絵さんをはじめとして、契約所員のメンバーの方々が
本当に穏やかで、誠実で、豊かなきもちで
ひとりひとりを尊重して作っていらして
そんな方々と一緒に過ごし、力を分け合ったり、何かを共有できることがひとつひとつ嬉しくてたまらないのでした。

スイッチ総研をはじめて下北沢で体験した時に感じた
えも言われぬしあわせのような、人を好きになる純粋な気持ちのようなもののわけが
それを作っているひとたちのあり方にあるのだということがわかりました。

そしてスピーディーに稽古し、一瞬で「スイッチ」を立ち上げる役者の方々。
「スイッチ」へ誘う案内人の方々。
「スイッチ」を押してくださる方々。
大人も子供もみんな同じに「スイッチ」で動き出すのも素敵。

「大人げないことを大人のやり方で」
このモットーもとってもいいなあと思っています。


とにかく自分ごとばかりで恐縮ですが
私は演劇をやるし、役者も、脚本も演出も時々やるし、趣味ならば歌も歌うしウクレレも弾くし、絵も描くし、文章も書きます。

何がやりたいの?とか、どこを目指してるの?とかよく聞かれたり
なんでもうまくなりたいの?と言われて

なんだよ!いろいろやりたいことやって悪いか!ぷん!と思ったり
私もよくわからないなあ、でもそれでいいじゃん、だめ?と思ったり
器用貧乏にすらなれてないよなあ…と思ったりしています。

だけど、この日々の中で
「ああ、別に私はいいなあと思う人たちと、いいなあと思うことを一緒にやりたいだけなんだなあ」ということがよくわかって
とってもすっきりしました。

それで微笑みあったり、労わりあったり、いつくしみあったり
生きてるっていいねってちょっと思ったり
そんなことを、これからもして人生を生きていきたいです。

私はけっこう人が好きで、人を好きだと素直に言える場所が好きです。

スイッチ総研に出会えて、よかったです。


そんなことをぼやぼや考えながら
下北沢で野暮用をすませていたら
所長の光瀬さんが下北沢にいるという情報を入手し
遭遇してきました。

いつこのおもいを伝えようと思っていたら、すんなりお会いできたので
自分でもうるさいなあと思うくらいに伝えてきました。

人生って変ですね。

集合写真。平和のピース。