時空の結晶



昔、ディアゴスティーニのトレジャーストーンを本気で集めていたことを思い出した。

思い出して、異常なほどに沸き立って
集めたケースを置いていた部屋のカーペットの質感とか
棚の触りごこちとか
コレクションケースの匂いとかが全部フラッシュバックして
ちょっと時空がとんだ。

宝石と鉱物をそれぞれ集めていくのだけど
鉱物にしか興味がなかった。

今も選ぶものは、異素材が組み合わさったものだったり
何か偶然が形になったもの
金が混ざったもの
そこに作為がないものが多くて

この好みはなんなんだろうなあと思っていたのだけど

鉱物が大好きだったことを思い出して妙につながった。

鉱物のなかにある、いろいろなものが結晶化されたあの形がたまらなく好き。

小宇宙を感じるものが好きなんだろうな。

もう血がさわぐから何かあるんでしょうな。

とても頼りになる記憶だわ。



秋の飾りを作った。

不規則に切っても、規則的な模様になるのが楽しい。

無秩序のなかにも秩序があることとか。

どうなるのかわからないものを作る時間はとても自由になれる。

ぜんぜんわからないままがいい。

こういうものを求めている、というのは、けっこういつもはっきりある。

でもそれを言葉にするとなんか違っちゃう、ってことを
言葉にしているこの矛盾よ。